2010-08-10

「京北産葉枯らし乾燥材ストックと供給」協議会 第2回

@よしやまち町家


 従来より良材とされてきた葉枯らし乾燥材(以下,葉枯らし材)をきちんと評価し,利用を促進のための協議会会合2回目を持ちました.昨年度より葉枯らし材を科学的に評価するため,京都大学に依頼している実験の今後のスケジュールの確認と,実際にストック―流通させるときの木材の種類の検討などが議題です.


葉枯らし材の実験 実験結果のデータはいずれHPで公開する予定になっている.そしてデータだけでなく,実験で残った材も展示すべきという意見が出た.最終的には家を建てたいという方々にも京北の葉枯らし材を見ていただきたいが,まずは内覧会でわれわれ自身がほんとうに良いものか確認し,材木屋さんや大工さんにも見てもらおうということになった.今後の実験の継続も確認された.

葉枯らし材の品質 いまは実験で葉枯らし材を評価しようと試みているが,川上側の会員からはスギは少しでも葉枯らしをすると材にツヤなどの違いが出ること,そのため京北ではコストがかかっても葉枯らしが続けられていくであろう,との発言があった.また,そのような川上側を理解して近山の良材を選んで使う「賢い施主」を育てることの必要性,コストを優先してきた今までの木材づくりの見直しをすべきことなど,会のうちにとどまらぬ将来を見据えた意見も出た.

ストックする材種 安定して京北の木材を供給をするには,常にストックしておくことも大事なことだ.これまでにも高温乾燥した木材はストックされてきた.しかし,高温乾燥では繊維の粘りや香りが失われ,木が持っている良さが生かされない.良材として知られた京北の木のその良さを活かせる天然乾燥材をストックしていこうとしているが,そのためには必要とされている材の大きさ・種類を集約しなければならない.本会会員の工務店ではヒノキの柱やスギの床板など,すぐには用意できないが大事な部材はストックしているという.とくに話題になったのは,「平角」と呼ばれる断面が長方形の角材をストックするべきか否か.梁によく使われていたマツが現在は入手が困難になっており,スギの平角を室内から見える形で梁に使おうと考えると,この平角のストックは重要になる.森林組合ベースでストックをする方向性は出たが,材の品質・規格等は今後詰めていくこととなった.

その他 川上と川下をつなぐイベントとして,間伐体験を検討中.単に1日限りのイベントではなく,後日,間伐した材を使って何か作ろうというもの.くり返して京北に来ていただくことで,山に親しんでもらおうという試み.

イベントなどは,またこのブログなどで広報します.お楽しみに...