「京北の木で家をつくろう」ネットワーク とは



 「近くの山の木で家をつくろう」という日本のあちこちで起こっている川上と川下を結ぶ市民運動の動きに、私たちも今身の回りにある状況の中でやってみようと、建築家、林業家、森林組合、大工などの仲間に呼び掛けて、「京北の木で家をつくろうネットワーク」なる団体を結成しました。
 京都の北に隣接する京北町は京都市右京区に編入となり、京都市は緑地をずいぶん獲得しました。京北は植林率が90%という。ほとんど杉やひのき、赤松の人工林。北山丸太の生産地としてながらく集約的な林業経営ができたために、比較的望ましいかたちで山が保存されてきたものの、さすがに近年の木材不況のために、いい木が伐採され、何代も続いて来た林家が林業を諦めるということも珍しくない。この京都市から見れば、桂川(大堰川)の上流になるわけで、平安京の建設の折にもたくさんの良材を出しているし、戦前も筏で嵐山までたくさんの材木を運んで来ている。今はむしろ上流の水源確保という意味も加わってきているのだが、京都市の場合、多くの水源を滋賀県の琵琶湖から引いて来ているという意識のせいか、あまり北部山地への恩恵を感じていないかもしれない。いま、多くの人が安らぎのある木の家を求めている。しかし、そのうちの多くは木の家は高いもの、ましてや国産材で家を建てることができるのはどこかのお金持ちだけだと思っている。また、いざつくろうと思っても誰に頼んだら良いのかわからないというのが現実のようだ。
 そこで私たちはまず、地域の一般の人々に木の良さ、木の家の良さ、近山の木を使うことがどうして良いのか、を伝えていこうと考えています。